再燃②

過去を思い出せるのは、それだけ印象深いからだ。

辛かったとき、嬉しかったとき、悲しかったとき、楽しかったとき…。


思い出せるのは印象深いものばかり。

でも、ここ3年ほど何もなく、家の中で過ごしてきた。

辛かったときもなければ、嬉しかったこときも、何もない。

ただひたすらに虚無の世界でいきてきた。


思い出がないというのは、自分が本当に存在しているかどうかもわからなくさせる。

そしてそれは、思い出深い過去さえも本当にあったことなのかわからなくさせる。

本当に楽しかった?本当に苦しかった?本当に辛かった?

全部わからなくなる。


今が過去をむしばんでいき、自分が自分でなくなる。

それはとても苦しいこと。

せめてこの苦しみは、忘れませんように。

将来の糧となりますように。


-終-