曇天

空は青く、空気は綺麗なのに、なぜこんなにも居心地が悪いのだろうか。
それはきっと、ドス黒い雲の気配がするから。
忘れたくても、忘れられない。目の前にいるくらい、近すぎて。

雲が青空を覆い、雨を降らせる。
傘もさせず、歩くしかない。
前は見えず、道もわからない。
きっとたどり着く。
そう思いながら進む。

どうしたら雲はなくなる?
どうしたら雨が降らない?
どうしたらたどり着く?
どうしたらいいのか、何も見えてこない

しばらくすると雨が止む。
けれど、雲はおさまらず。
またいつ降るかもわからない雨に怯え、歩く。

いつかこの曇天をも晴れやかにできるだろうか。



-終-